俺TUEEEより、努力型主人公がやっぱり良い

現代病NARUTO

BORUTO観てきました。

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NARUTOの本編のラストで、木ノ葉隠れの里のバックに高層ビルが立ち並んでいてびっくりした記憶がありますが、BORUTOではそれを象徴するかのような技術の発展がストーリーの核になっていました。

昨今ではでは努力型の主人公は敬遠されがちで、最初から最強系のいわゆる俺TUEEEE系の主人公が流行傾向にあるので、ボルトが使ってしまった科学忍具もその流れに乗ったものであるのでしょうし、ボルトの台詞にもあった修行なんて時代遅れなんだよというのは、技を簡単に成立させてしまう科学忍具が目の前にあったら、つい言ってしまうのは現代っ子の私も共感してしまいます。

だからこそ、褒められたものではないボルトの行動にもイライラ感はそこまで募りませんでした。

ただジャンプで連載していた作品の後継の作品である以上、主人公には努力は必要な要素です。

ジャンプの三台柱の努力・友情・勝利。これらを満遍なく満たしていたからこそ、NARUTOはここまでの人気漫画になれたと思っていますし、BORUTOもNARUTOの続編作品として発表するなら、そこを無視するわけにもいきません。

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ちゃんと努力

この映画でボルトが努力をする描写といえば、サスケに弟子にしてもらうために行った螺旋丸の修行でしょう。

この螺旋丸の修行は非常に良かったです。

ジャンプでは修行のエピソードは人気投票が落ちるという話がありますが、螺旋丸の修行はなんか出来そうと思わせて実際に水風船や、ゴムボールを見たら1回はやってしまう魅力があります。不人気代表の修行の話でここまで魅力を作ったこともNARUTOの魅力の一つであるように思います。

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だからこそ、ボルトが木の葉丸から螺旋丸を教えてもらい、修行しているシーンはサラダと一緒に私もニヤニヤして眺めてしまいました。

ボルトがゲームでチートを使っていたり、科学忍具を使ったりと今回の映画では、昨今の努力軽視の流れと向き合っているように思いました。

コツコツと積み上げてきたものがあるから、読者や視聴者も主人公の活躍を受け入れられるし、望むことができます。

それはNARUTOがジャンプでの連載で証明してきたことです。

皆に愛されるコンテンツになるためには、努力を重ねる主人公が必要条件のように思います。

全体の感想

ただそんなことを考えなくても、NARUTOを現役で追いかけてきた世代は、木の葉の里の新たな青葉達を親目線で見ることができます。

あんなに新キャラが増えても、全く混乱しないで済むのはキャラクターが出来ているからこそだなぁと思いましたし、NARUTOという作品の素晴らしさを再確認できました。

中忍試験のダリィのガム風船忍術は、原作の後半で乱発される大規模すぎる忍術で大型忍術に食傷気味になっていた私に、昔のNARUTOを思い出させてくれるようなワクワクさと規模感でとても宜しかったです。

良い所しかほとんどなく、岸本先生のこれ以上のものはもう書けませんという宣伝文句に違わない最高傑作の映画だったと思います。

最後の戦闘には少し首を傾げてしまうところ(術を吸収する眼がボルトのクナイ一刺しで使い物にならなくなるところとか)もあったけれど、長期コンテンツの強みである作品の歴史とストーリーが上手く融合して、非常に上質な映画に仕上がっていたと思います。

正直、自来也がワンカットだけ出てくるところだけでも涙腺にくるものがありますよね。

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今の若者達へ友情・努力・勝利の大切さを教え、成人した大きなお友だちには、親心を教えてくれる人気漫画の続編という立ち位置を上手く使った、これからのアニメ映画のお手本になるような作品でした。

最後にサスケが本編よりもイキイキしていることが、この映画の一番の見所でした。

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